表題作『祈りの海』は(中編サイズのような気がするけど)、全然感動しなかった。 道具立ても陳腐だし、オチも凡庸。異世界の描写はやるならもっと突っ込んだ方が良い。 でも、これってヒューゴー賞やらローカス賞やら取ってるんだよね。 私の感性が鈍いのかなあ。それとも宗教関連の作品に偏見があるとか(ありえる)。
一番面白かったのは『貸金庫』、続いて『ぼくになることを』、『誘拐』、『放浪者の軌道』くらいかな。 特に『ぼくになることを』は最近読んだ哲学的な何か、あと科学とかの<思考実験(3) どこでもドア2>を思い出した。 いや、どこでもドアの方は毒があり過ぎて、ちょっと読んでてつらいんだが。
アイディアに感銘を受けたのは『百光年ダイアリー』、『無限の暗殺者』。
ところで、『ぼくになることを』って同じ設定を使った遠未来の話があったよね。 タイトルが思い出せない。波動を使ったスポーツのようなのが出る話。 あれ、Eganじゃなかったような。
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宗教的SFといえば,テッド・チャンの「あなたの人生の物語」に納められている「地獄とは神の不在なり」なんかはどうでしょうか。僕はけっこう面白く感じました。
「波動を使ったスポーツのようなの」とは、おそらく量子サッカーでしょう。<br>グレッグ・イーガン『しあわせの理由』(早川書房 (ハヤカワ文庫))に収録されている「ボーダー・ガード」に登場してます。「ぼくになることを」の遠い続篇です。
グレッグ イーガンって説教じみてるときがある。<br>大概は面白いけど、祈りの海だけ妙に違和感があったのは確か。<br>「地獄とは神の不在なり」もあれはあれで信仰に対する偏見のように思われます。<br>そこまで深く信仰する必要は無いだろう、というブラックユーモアのようにもとれる、悪趣味寸前の話だと思いました。<br>まあ天使が顕現する世界だから信仰に対する感覚が違うんだろうけど、ちょとイタい。