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Matzにっき


2003-06-04 [長年日記]

_ [OSS]オープンソース俺定義リスト

作って晒す必要があるか などと言っていたら、鵜飼さんが作ってくださった

見つけたら、みんなでリストに追加しよう。

_ [OSS]開発者と利用者

<URL:http://www2u.biglobe.ne.jp/~hsaka/bbs.cgi?month=200306#20030602214801.02048>

「利用者」というのは誤解を生みやすい単語である。 私はいつもやっちゃうのだが、この「利用者」は「ソフトウェア利用者」ではなくって、 「ソースコード利用者」である。

だいたい、フリーソフトウェア開発者の住んでいる世界ではエンドユーザはおぼろげにしか見えないもので、 純粋なエンドユーザ(お客さま)たる利用者は意識の外にいることが多いのだ。 結局、ソースコードを中心とした世界なのだな。

しかし、本来は開発者とエンドユーザの間に

  • ソースコードを利用し
  • エンドユーザに貢献し
  • 対価をもらい
  • 開発者に還元する

中間層たる存在がいてしかるべきなのだ。それが、ディストリビュータとか、 システムインテグレータとかいう人々のはずで、そういう人のおかげで、 開発者はエンドユーザとのコミュニケーションに苦労することなく保護される、 ....はずなのに、そういう連中がまっさきに「誤解し」、「定義をねじ曲げ」、「開発者に苦労をかける」 っていうのはどういうワケ?

この人たちがもっとしっかりしてたら、私だってこんな駄文を書いてないで、 Rubyの開発に専念できるのに。

ぷんぷん。

_ []タイヤ交換

朝、放置していた前輪のタイヤ交換を行おうとする。

が、サイドブレーキを引き忘れていて、ジャッキを倒してしまう。 おなかを地面につけて伏せている愛車。目が点になる。バカだ。

カーレスキューさん、ありがとう。もうこんな失敗はしません。

_ 献血

した。400ml。前回は11月19日だったらしい。

本日のツッコミ(全10件) [ツッコミを入れる]
_ (2003-06-04 16:48)

「誤解し」、「定義をねじ曲げ」、... ここは分かりますが、<br>「開発者に苦労をかける」というコメントが理解できません。<br><br>具体的にはどういう苦労、どういう迷惑を被られているのでしょうか?

_ まつもと (2003-06-04 17:11)

具体的には「誤解の拡大再生産の解消」と「開発者みずからによる啓蒙努力の必要性」による「苦労」を意識してます。本来開発者の仕事じゃないと思うんだけど。

_ いい (2003-06-04 17:58)

回答ありがとうございます。<br><br>「本来開発者の仕事じゃないと思うんだけど」というところこそ私は本質を突いていると考えます。すなわち、そのような苦労はしなくてよろしいんじゃないでしょうか。すなわち、開発者自ら皆に啓蒙する必要はなく、自分の関係者に対して、「客観的事実をきちんと勉強して正確な判断を下せる」よう教育すればよい、と私は考えています。

_ まつもと (2003-06-04 18:24)

この10年、そう思ってきましたが、事態は変わりません。<br><br>中間層は資源が枯渇するまでは「還元」なんてしなくて済む方がありがたいんですから、誰が最初の啓蒙をするかといえばやはり開発者しかありえないのではないかと。結局、不利益が直撃するのは開発者ですから。<br>私の関係者はただしく行動しています。問題は私以外の開発者を保護することです。

_ いいお (2003-06-04 19:36)

どうどう巡りなんですが、<br><br>「不利益が直撃する」<br><br>というところが私には分かりません。その不利益とは何でしょう。それが先に仰有った「苦労」をさすのであれば、それは単に素直に無視すればよいだけの話だと思うのですが。

_ (2003-06-05 05:21)

自分が関係者だと思っている範囲と、自分は関係者だと思っている他人が範囲とが異なり、後者の範囲がとても大きかった場合に、後者にしか属さない人からの意見を無視したら、どうなりましょう。苦労しなくて良いに越したことはありませんが、啓蒙努力をかってでてくださってる人に水を差さなくてもいいんじゃないかと。。。<br><br>ここはまつもとさんの日記でしょう?細かい言葉尻を問い詰めるのではなくて、視点が違うことを前提に議論する方がいいんじゃないでしょうか。

_ haruki (2003-06-05 09:44)

>い 様<br>思うに、まつもとさんのおっしゃる「苦労」をしない、放棄するということは、「バザール的な開発モデルを放棄する」ということです。<br>どういうことかと言うと、バザール的な開発モデルには、開発者のベースを多くすることが不可欠で、関係者を限定してしまうと早晩自らの首をしめる可能性があります。<br>関係者外にもオープンソースな観念を啓蒙し、引き込むことが重要です。<br>俺的定義は、その啓蒙を阻害することが問題なのだと。<br>それも、利益協同体のはずの、ソース利用者がそれを行うとは。

_ いいお (2003-06-05 10:38)

言葉じりを捉えて問い詰めているように見えましたらすみません。<br>そんなつもりではありません。<br><br>純粋に、私が理解できない部分があるので説明をいただければうれしいなというだけです。<br><br>で、「ゆ」さんの説明も概念的でひょっとしたら私が十分に解釈できていないだけなのかもしれませんが、「後者にしか属さない人からの意見を無視したら、どうなりましょう。」ということに対する私の考えは「別にどうもならないんじゃないの?」です。例えば「不満分子が個別に攻撃してくるから」とかそういう具体的な回答があれば私にも分かるのですが。<br><br>それから「haruki」さんのお考え、分からなくもないですが、「全体」と「個」を同一視してしまっているんじゃないか、ところが私には共感できないところです。<br><br>すなわち、個別のプロジェクトについていえば、そのプロジェクトに魅力があれば開発者のベースは自然と拡がるはずで、ここで話題にのぼっているところの苦労を放棄してもバザールモデルは成り立ち得ると考えます。Rubyなんか十分そうなっているのではないでしょうか。<br><br>すなわち、まつもとさんにおかれては、成功しているRubyという個別プロジェクトの開発に邁進していただければよいのであって、わざわざよけいな苦労(というとまた怒られるかもしれませんが)をしなくてもよいのでは? と思うのです。<br><br>以上、私も小規模ですがオープンソースプロジェクトをひとつ持っておりまして、開発者の視点での意見です。<br><br>もっとも、Rubyが大規模プロジェクトに成長したがゆえの、直接的な不利益、というものがあるのかもしれませんね。そうだとすれば、それはどんなものなのかを、お伺いしたいのです。<br><br>結局もとの質問に戻りました。私の疑問はすなわちこういうことなのです。

_ ukai (2003-06-05 12:38)

そもそもオープンソースは Debianからうまれていったことからも<br>わかるように、個々をどうこうというのよりもむしろ全体として<br>どうしていけば happy hacking を続けていけるのかという観点が<br>重要なのだと思います。<br><br>Rubyに関していえば、Rubyという個のプロジェクトにみえるのかも <br>しれませんが、実際には特に拡張ライブラリとかで他のソフトウェアとの<br>関わりがあるわけで、そのあたりを全く無視してしまっては<br>Rubyの発展はうまくいかないんじゃないかなぁと思いますが。

_ haruki (2003-06-05 16:23)

なるほど、プロジェクトに魅力があればバザール的な開発ができるのではという発想は、わかります。<br>私もオープンソース開発してますが、一人プロジェクト状態です。もっと、よいソフトなら、複数人で開発できるのでしょうね。<br><br>でも、Rubyの様に、成功して、Rubyで書かれたソフトまで視野にいれるとすごい大規模なものについてはどうなのだろう?<br>もっと勝手に人が集まってきて、更なる発展をするのだろうか?<br>他にもあるすばらしいフリーソフトのリソースを食うだけじゃないだろうか?<br>ということを考えると、全体のパイを大きくすることが重要なんじゃないのかなと感じています。<br>そして、そういうパイを広げるための啓蒙は、Rubyのみならず、他のオープンソースソフトにも良い影響を与えると思います。<br><br>まつもとさんの考えとは違うかも知れませんが、私がオープンソースについて啓蒙することが重要と思うのは、こういう理由もあります。まつもとさんほどの発言力のある方は、多くないので、ご苦労ですが、がんばっていただけたらと。

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