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Matzにっき


2008年02月09日 [長年日記]

_ [原稿] Beautiful Code + 日経Linux

Beautiful Codeの日本語版がもうすぐ出る。 久野先生ご夫妻が翻訳なので、内容については心配要らない、と思う。 まだ読んでないけど。

で、問題なのは私の部分。 この文章は

  • Rubyist Magazin出張版のコラムに加筆したものを
  • 英語に翻訳してもらって
  • さらに私が手を入れたもの

なのだが、これを日本語に戻すと、下手すると 「Rubyist Magazin出張版のコラム」がそのまま再現されてしまう。

ま、それでもいいんだろうけど。

が、個人的にはそれでは気に入らないので、 書き直すことにした。

が、時間に追われてしまって、あまり大々的には直せなかった。 結局、似たようなものになってしまったな。

0471941484 悪いこと(?)は重なるもので、ちょうど日経Linuxの〆切も重なってしまった。 こちらは、ガーベージコレクションについて。 発売されたばかりの3月号でも GCについて触れたのだが、どうも説明が足りない気がして、 各種GCアルゴリズムの利点・欠点なども含めて再度まとめてみた。 手ごろなサイズの日本語の解説があまりないような気がするので ある程度資料的な価値はあるだろう。

みんなに0471941484を薦めるわけには行かないしね。

でも、普段に比べて難解になりすぎちゃったかなあ。 あまり反省はしてないが。

_ [言語] use Perl | Perl is now Y2038 safe

Perlが2038年問題を 解決した、という話。

基本的なアルゴリズムは

  1. Write a 64 bit clean gmtime().
  2. Run your time through this new gmtime_64().
  3. Change the year to a year between 2012 and 2037.
  4. Run it through the 32 bit system localtime() to get time zone stuff.
  5. Move the year back to the original.

というもの。もちろん、政治的に決まるDST(夏時間)には対応不可能だが、 未来のことは誰にもわからない(ので対応は期待されない)ので 大丈夫。

Rubyも同じやり方で対応しようかなあ。 でも時間関数にはトラウマがあるので(DSTバグでえらい苦労した)、 あまり自分ではやりたくないなあ。

誰か手をあげてくれないかなあ。

_ [言語] CPython用拡張モジュールをIronPythonから呼び出す (1) 「CPython Extensions for IronPython」とは? | マイコミジャーナル

タイトルの通り。それって結構画期的な気がする。

JRubyでも似たような技術を使って、MRIの拡張を呼び出せるといいんじゃないだろうか。

もっとも彼らは、MRIと同じ機能を実現するために

  • 鬼車互換ライブラリをJavaで実装
  • OpenSSL相当をJavaで実装

するようなパワフルな人たちなので、そんなものは要らないのかもしれないけど。

_ [言語] プログラミング言語の進化を追え: 第1回 サルでも分かるプログラミング言語の新潮流(前篇)

なんか昔オープンソースマガジンに書いた記事が、 まわりまわってIBM Developerworkに出ているな。 なんにも知らなかった。

ま、ITmediaには仕様許可を出した覚えがあるので、 そこからDeveloperworkに出たんだろうな。

ま、せっかく書いた文章が再利用されることは良いことだ。


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