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Matzにっき


2007年05月29日 [長年日記]

_ 東京へ

8時ちょうど...ではなく、7時59分のあずさ6号に乗って東京へ。

松本から東京は思ったよりも近い。飛行機じゃないから気楽だしね。

東京ではニューヨークから来たRubyユーザと一緒にお昼。 Rubyのこと、ほめてもらえるのはうれしい。けど、照れ臭い。

あと、日本の食事は安いとか、日本のベーグルは本物じゃない、とか。 文化とか食べ物とかのこと。あと2週間日本にいるというのに RubyKaigiのこと知らなかったので紹介しておく。 が、今からチケット買えるんだろうか。

_ プロコン実行委員会

U20プロコン実行委員会。 今年はどのくらい集まるかなあ。

会合終了後、よしおかさんのポロシャツをほめたら できたばかりというレアモノのAsianuxポロシャツをいただいた。

ラッキー。

_ 明日の準備

明日のLinux World/Expo Tokyo 2007での発表は 後半にRailsのデモをやってもらうように会社の人にお願いした。 が、あんまり発表とか経験がなかったので 緊張しまくり。とにかく準備するしかないと

  • 台本の用意
  • 練習

の繰り返し。コストに見合うかどうかはともかく、熱意はすごい。 今後の成長の糧になるといいね。

_ ホテル

稲荷町のホテル。古いのはともかく、 浴室がひどい臭い。もう泊まらない。

_ [言語] Rail - Esolang

Railsでなく、Rail。Rubyとは関係ない。

RailはBefungeやPATHの流れを汲む二次元言語。 Railでの「Hello World」はこうなる。

$ 'main' (--):
 \
  \-[Hello World!\n\]o-#

標準入力を標準出力にコピーするcatはこう。

$ 'main' (--):
 \
 | /---------\
 | |         |
 | \    /-io-/
 \---e-<
        \-#

ループが「ループ(輪)」として目に見えるのが特徴。

_ [Ruby] Google Translateよ、まつもとゆきひろ氏の出演はヒミツじゃありません - Allegro Barbaro [ITmedia オルタナティブ・ブログ]

CodeGearのイベント記事をGoogle Translateで翻訳したら 出席するはずの私の名前が消えてしまったという話。

なぜ、むしろ翻訳しやすいひらがなの「まつもとさん」の名前を翻訳できず、漢字の木村明治さん(Akijiになっているけど、正しくはMeijiさん)が翻訳できるのか、不思議。

となっているが、実はひらがなの名前は機械翻訳泣かせである。 つまり、漢字の羅列は名前として認識しやすいが、 ひらがなだと、通常の文の一部として解釈することが多いようだ。 たとえば、

まつもとゆきひろ

「まつも」と「ゆきひろ」

と解釈し、「まつもってなによ」と混乱してしまうとか。

というわけで、6/5にはCodeGearデベロッパーキャップゲスト出演します。

_ ITmedia +D LifeStyle:飽和するコンパクトデジカメ、脱却の糸口を探す (1/3)

デジカメにおいて、機能競争が飽和してきていて、 打開するためには「時流に反した割り切り」ではないか、という話を、 リコーを題材にして。

機能競争というのはソフトウェア(や言語)の世界でも日常的で、 なんだかんだ言っても「なにができるか」で評価されることが多いんだけど、 そういう時こそ違う評価軸(たとえばRubyなら「どのくらい気分が良いか」)を 提示することが成功の鍵になるのではないか、と思う。

_ [言語] PHP is dead ... long live PHP! | Dries Buytaert

連日PHPを話題にしているのは、 PHPを嫌いだからじゃなくて、PHPという言語の状況が素材として面白いからである。

今回のお話は

  • PHP5への移行が進んでいない(20%以下)
  • 各種アプリもPHP4/PHP5両対応
  • 現在のペースから演繹すると2009年になっても70%程度ではないか
  • PHP5の機能は活用されていない
  • PHP5への移行インセンティブが弱い

結果として開発者はPythonやRubyに逃げていき、PHPは死んでしまうのではないか、という懸念。

あらゆるソフトウェアについて新しいバージョンへの移行は 難しいことであるが、PHPの場合、それが顕著なのかもしれない。

Rubyでも1.8と1.9の間にギャップがあるので、 似たような状況にならないとは限らない。


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