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Matzにっき


2007年04月06日 [長年日記]

_ [Ruby] 日経BP技術賞 表彰式

ホテルで朝食後、チェックアウト。同ホテルの表彰式会場へ。 めずらしくスーツ姿。

会場について驚いたのは、 私一人、演壇の直前に席が指定されていること。

これはなんの晒し者ですか?

その後、いろいろとあいさつがあった後、 対象受賞者によるプレゼンテーション。 5分という予定であったが、そうとう早口で話しても6分かかってしまった。

日経BP技術賞とは、 日経BPの記者たちがその年に登場した(or 話題になった)技術を推薦し、 その中から学識経験者が6分野12技術を選んだ上、 さらにその中からひとつを大賞に選ぶというシステムになっている。

6分野は以下の通り。

  • 電子・情報家電部門
  • 情報通信部門
  • 機械システム部門
  • 建設部門
  • 医療・バイオ部門
  • エコロジー部門

で、今年は「プログラミング言語Ruby」が情報通信部門で大賞を受賞したということなのだそうだ。

で、この受賞だが、聞くところによると

  • 個人受賞は初めて
  • 情報通信部門受賞は久しぶり
  • オープンソースソフトウェアも初めて
  • ソフトウェアの大賞受賞は初めて

なのだそうだ。いかに普段から特異な(メインストリームからはずれた)変な活動をしているかがよくわかるような結果だな。

で、プレゼンテーションの内容を始めとして、授賞式の様子は ITproの記事、「【日経BP技術賞】「Rubyが評価されたのは,技術や機能ではなく“感性”」,大賞受賞のまつもと氏語る:ITpro」にまとめられている。

他の技術賞部門賞は以下の通り。

  • 電子・情報家電部門
    • 青色半導体レーザーと光ファイバーを利用した白色光源(住田光学ガラス)
    • Siウエハー上に異種薄膜を常温接合する技術「EFB」の実用化(沖電気工業)
  • 情報通信部門
    • 「UHF帯電子タグの製造技術及び実装技術の開発」(響プロジェクト)によって開発されたICタグ(日立製作所、ルネサステクノロジ、八木アンテナ)
  • 機械システム部門
    • ディーゼルエンジン用NOx吸蔵還元触媒(本田技術研究所)
    • 小型・高出力のファイバーディスクレーザー(浜松ホトニクス)
  • 建設部門
    • 地震の発生を知らせる緊急地震速報システムの開発と運用(気象庁、防災科学技術研究所、鉄道総合技術研究所)
    • デュアルシールド工法の開発 (福田組)
  • 医療・バイオ部門
    • マウス体細胞の初期化技術(京都大学)
    • 糖鎖遺伝子ライブラリー(産業技術総合研究所)
  • エコロジー部門
    • 国内最大の2400kW大型風力発電設備における大型化・効率化技術 (三菱重工業)
    • ヒートポンプ式洗濯乾燥機を実現させた超小型ヒートポンプユニット (松下電器産業)

見れば見るほど、私の受賞が変な感じ。

その後、懇親会が開かれた。懇親会の様子は別の記事「【日経BP技術賞】「プログラマの快適さが生産性を向上させる」---Ruby作者まつもとゆきひろ氏:ITpro」に。

松江市の松浦市長も来てくださって、簡単にスピーチしてくださる。 あいかわらず市長は本気である。 お役に立てるとよいのだが。

日経BPは受賞を記念して「日本で生まれ世界が育てた言語 Ruby:ITpro」という特集サイトも開設してくださったそうだ。

_ 移動

その後、妻の希望で原宿へ移動。 原宿はゼータビッツからの分離以来か。当時は本社が原宿だったからな。

私は別にすることも無いのだが、 普段なら絶対に来ないような街の、絶対に見ないような人を見てるのは それなりに楽しかった。

秋葉がサブカルチャーの中心であるというならば、 原宿はまた別のカルチャーの中心であるような気がした。

最近行ってないけど、池袋や中野も面白い発展をしてるとか。 今度見に行こうかなあ。

その後、飛行機で米子へ。 子供たちを拾って、自宅へ帰る。

くたびれた。

_ [言語] YAPC::Asia::2007 - Perl I18N in 20 minutes

ちょうど同じ頃開かれていたYAPC::Asia::2007での弾さんのプレゼン。

これを見て、RubyのM17Nでもせめて

\x{5F3E}
\N{WHILE SMILING FACE}

くらいはできるようにしようと考えた。


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