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Matzにっき


2007-03-26 [長年日記]

_ [Ruby] Joyeur: Joyeur: Joyent Slingshot

Railsアプリケーションを(そのまま?)オフラインで動かす技術、なのだそうだ。

残念なことにフリーソフトウェアではないので、実際にどんなものなのかはよくわからないんだけど、興味深い。

_ [言語] ITmedia エンタープライズ:第1回 サルでも分かるプログラミング言語の新潮流【前篇】

「へぇ、サルでも分かるなんて大胆なタイトルだなぁ。誰が書いたのかなぁ」と 思って、読んだら、書いたのは自分だった

しばらく前にオープンソースマガジンに書いた記事だった。 すっかり忘れてたよ。

後、sumimさんから指摘を受けてるけど、

  • Smalltalkが1969年と言うのはHistory of the languageのPDFからそのままコピーです(URLがわからない)。ご指摘の通りFLEXあたりのことを意識してるのかもしれません。
  • 「言語が概念を発明する」書き方はワザとです。修辞がすぎると批判されるかもしれませんが、現在のSmalltalkが内包している概念を「発明」したのはKay一人じゃないし、C++やRubyもしかりですから、もっとも適切なのは「コミュニティ」とか「関係者」なのかもしれませんが、それだとちょっとニュアンスが違ってきちゃうので。
  • 「C++のオブジェクト指向」と「Smalltalkのオブジェクト指向」の「混同」もワザとです。もちろん、歴史的な違いがあるのは分かってるのですが、結果的に共通項は多いので、共通に扱った方が「便利がいい」ので。
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ sumim (2007-04-01 03:55)

「概念」と「技術」を混同しておられませんか? たしかに、 Smalltalk が内包する「技術」をすべてケイが発明したとは思いませんが(というよりむしろ、功績は実装者のインガルスらにあって、ケイは「技術」の発明のほうにはほとんどタッチしていないように思います。しかし…)、キーとなる「メッセージングによる生物に似せた動的システムの構築」という「概念」は彼が発明したと考えるべきではないでしょうか? C++ の内包する「技術」と、ストラウストラップの「SIMULA のクラスを用いてユーザー定義型を実現する」というアイデアについてもしかり。<br><br>同様に、「C++ のオブジェクト指向*技術*(あるいは言語機能)」と「Smalltalk のオブジェクト指向*技術*(同)」は結果的に共通項が多いことは理解できますが、http://www.purl.org/stefan_ram/pub/doc_kay_oop_en などを読むかぎりにおいては「ストラウストラップのオブジェクト指向の*概念*」と「ケイのオブジェクト指向の*概念*」に共通項が多いとはちょっと考えにくいです。

_ まつもと (2007-04-03 15:44)

「「ストラウストラップのオブジェクト指向の*概念*」と「ケイのオブジェクト指向の*概念*」に共通項が多いとは考えにくい」という指摘は確かにその通りだと思います。<br>しかし、結果的に類似した「技術」になってしまったのは偶然ではないと思います(おそらく無意識の共通項があった。あるいはシンクロ二シティ?)。<br><br>ま、それは証明不可能ですが、いずれにしても、現在「オブジェクト指向」という単語で呼ばれている概念は、ほとんどの場合、「ストラウストラップのオブジェクト指向の概念」とも「ケイのオブジェクト指向の概念」とも異なっている(両者が融合した、あるいは両者を咀嚼した)「第二世代のオブジェクト指向の概念」だと思っています。<br><br>私が元の記事で書こうとした「概念」はそのようなものです。元の(特にKayの)概念を大切にしようとされているsumimさんにとっては迷惑な書き方だったかもしれませんが。

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