«前の日記(2006-09-20) 最新 次の日記(2006-09-22)» 編集

Matzにっき


2006-09-21 [長年日記]

_ [OSS] OSDLのCEO:「フリーソフトウェア財団はGPLv2とGPLv3の関係を早急に説明すべき」

Open Source Development Labs(OSDL)のリーダーは米国時間9月20日、現行のGNU General Public License(GPL)の適用対象ソフトウェアが、現在策定中である次版のライセンスの適用対象ソフトウェアとどう関係することになるのかについて、 Free Software Foundation(FSF)は早急に説明する必要があると述べた。

しかしCohen氏とは異なる判断をしているMoglen氏は、この問題を明確にすることは当面ないだろうと示唆した。

Moglen氏はCNET News.comに対して、「GPLv3の最終的な条項が明らかにならないうちに、GPLv2の適用対象コードとGPLv3の適用対象コードとの関係についてコメントすることは、時期尚早であるというのが私の意見だ」と述べている。

OSDLの気持ちも分かるが、ここではFSF側の方が筋が通ってると思う。 このほかにもGPLv3に対して批判的な意見はたくさん耳にするが、 個人的にはv2とv3に互換性がなさそうな点が非常に気になる。

「any later version」オプションは大きな非互換性を仮定していないと思うのだけど。

_ [OSS] デジタルスケープ、オープンソースSNSをベースにナレッジ機能を付加した企業向けSNSツール

OpenPNEにナレッジ・マネジメント機能を追加した商用SNS。

ライセンスに従っているのなら(サボってOpenPNEのライセンスを確認してないんだけど)、 別になんの問題もないのだが、興味深いのはその値付け。

各メンバーがそれぞれナレッジ収集・整理できる「ナレッジポケット」は初期費用110万円、年間保守費用24万円。管理者のみがナレッジを吸い上げて収集・管理する「ナッレジキャッチャー」は初期費用60万円、年間保守費用12万円。専用サーバのハウジングで月額10万円。

そうかあ。それだけ値段が付くものなのか。まあ、「ナレッジ機能」とやらのデキによるのだろうが。

_ [Ruby] String is Enumerable no longer

以前からStringが行ごとに繰り返すeachをベースにしたEnumerableであるのは 使い出がない、と感じていたのだが、この度、思い切ってStringにEnumerableをインクルードするのを 止めてみた(1.9)。

とりあえず、手元にあるコードの範囲内ではStringにあるEnumerableのメソッドは使っていなかったみたい。なんのトラブルもなかった。もし、問題が起きたら、文字列を行ごとの配列に分解するlinesメソッドを新設したので、それをはさんでもらいたい。

string.max  →  string.lines.max
本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]
_ hisa (2006-09-30 21:28)

RubyのStringクラスは、String#[]などの仕様から考えても、文字列というよりもバイト列としての性格が濃厚なので、一貫性からいけば each = each_byte であるのが自然なところですが、廃止してしまうくらいなら<br><br>「(文字コードに合わせた)ほんとうの文字」を順に返すeachをベースにしたEnumerable<br><br>を希望!これは each = each_line よりもかなり使い道がありそうな気がします。<br><br> "こんちは,ruby".to_a => [ "こ", "ん", "ち", "は", ",", "r", "u", "b", "y" ]<br><br>おまけで<br> String#lines<br> String#bytes<br> String#characters<br>なども。

_ なかだ (2006-10-01 09:11)

eachと<<で行指向のストリームとして扱えるという点では、each==each_lineのほうがIOとの一貫性からいけば自然だという考え方もありでしょう。<br>むしろeach_*の返すEnumeratorを使って明示するほうが無難かも。

_ まつもと (2006-10-01 11:30)

過去との互換性や間違いの検出という観点からは、String#eachに別の意味を与えるのは良くないと思います。linesが配列ではなくEnumeratorを返すというのは面白いアイディアだと思いますが。あと、bytesやcharsも。

お名前:
E-mail:
コメント:
[]

«前の日記(2006-09-20) 最新 次の日記(2006-09-22)» 編集

track feed Matzにっき Creative Commons License This work is licensed under a Creative Commons License.