«前の日記(2006-07-25) 最新 次の日記(2006-07-27)» 編集

Matzにっき


2006-07-26 [長年日記]

_ [Ruby] 「Rubyを地域資源に」,島根県のIT関連企業などが「しまねOSS協議会」設立へ

先日の記者会見ネタ。高橋さんはどこでこの内容を仕入れたんだろう。

ま、そんな感じです。こっちの方が先日の山陰中央新報よりも具体的な内容になっている。

しかし、「このインターネット全盛の時代に物理的な位置は関係ないだろう」という意見も あるだろう。しかし、逆に地理的な制約から解放されているからこそ、 そのままでは圧倒的に不利な田舎でもビジネスが成立できるとうことだと思う。

インターネットやオープンソースなど、新しい動き*1を使って、地方ならではの不利な状況を跳ね返すテコにしたい。

もちろん、この協議会をいろいろな形で「利用」してもらっても構わない。 すでに画策している人もいるようだ。

*1  実際にはインターネットもオープンソースもさほど新しくはないわけだが、一般の人が知るようになった、とか、ビジネスに成立するようになったのは最近である、というような意味

_ 万能数値表現法 URR

浮動小数点表現といえばIEEE754と言われるようになって久しいわけだが、 これが最良であるというわけではない。 というわけで、日本発の浮動小数点表現URRの紹介。

これをx86アセンブラで実装したものもある。

ただ、Rubyも含めて あまりにも多くの浮動小数点ハンドリングでInfやNaNが使われているので、 これが普及するための障壁は大きそうだ。

そういえば、VAXはIEEE754ではないので、 Rubyがときどき変な動きをすることがあるらしい。

_ [言語] Python 3000 - Google Video

Google Tech TalkでGuidoがPython 3000について語るビデオ。 1時間強の講演を英語で聞くのはヒアリングの練習になる。 元々かなり興味のある分野だし、 ほとんどすべてすでに知っていることだから、 聞き取りや語彙に問題はないし。

ま、全体的にはよりRubyに近づくような感じなのだが(Unicode以外)、 generatorの多用は我々よりさらに踏み込んでいる。

Rubyも、1.9(2.0)ではEnumerableの返すArrayをなにかLazyListのようなものに しようかなあ。そうするとその辺で遅延評価ができて嬉しいことがある、かもしれない。

あと、Ruby流のIOについてもいろいろ考えないといけないと思った。

GuidoはPythonのIOをByte入出力とテキスト入出力を分離して、 「Java風にする」と言ってたけど、私の知ってる範囲では JavaのIOはなんか繁雑で真似したいものではなかったんだけどなあ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ みずしま (2006-07-31 23:56)

Java風にするってのは、おそらくJavaで言えばByte入出力を<br>扱うInputStream/OutputStreamと(Unicode)文字入出力を扱うReader/Writerに分けるってことだと思うんですが、それだけならさほど煩雑ではないんじゃないですかね?<br><br>JavaのI/Oが煩雑に見えるのは、デコレータパターンをベースにしているせいで、簡単なこと(行読み込みとか)をするにもいくつものStreamを構築しなければならないところにあるのではないかと。

_ まつもと (2006-08-01 00:19)

そうかもしれません。>Java風入出力<br>そこはGuidoからの具体的な提案を待つことにしましょう。楽しみです。

お名前:
E-mail:
コメント:
[]

«前の日記(2006-07-25) 最新 次の日記(2006-07-27)» 編集

track feed Matzにっき Creative Commons License This work is licensed under a Creative Commons License.