«前の日記(2006-07-14) 最新 次の日記(2006-07-16)» 編集

Matzにっき


2006-07-15 [長年日記]

_ 日経Linux完了

筑波で書くつもりだった原稿は思ったよりも進まなかったので(見積もりが甘いのはいつものことだ)、朝から原稿と格闘。なんとか、完了。

今週は大量の原稿とスライドと講義と会議で妙に忙しかったなあ。

_ 燃え尽きる

超忙しかった1週間のおかげで少々燃え尽き気味。 くたびれたなあ。

_ はてな、アメリカへ

近藤さん、アメリカに行くのかあ。

私の周辺(ちょっと下の世代かな)は、アメリカ留学したがる人が多くて、 実際に行った人もたくさんいるのだけど、 私自身は今までの人生で一度も、アメリカで勉強したいとか、 仕事したいとか、考えたこともなかった。

なんでかなあ。

たぶん、「アメリカに行かないとできないこと」というのを実感したことがない からなんだろうなあ。少なくとも私が心から興味が持てたこと(プログラミングと言語デザイン)で、アメリカでないといけない、あるいは日本の外に出ないといけない、と思ったことはない。

カンファレンスに出席してコネクションを作るのは重要だけど、 住んだり、働いたりする必要はないよね。

別に私は国粋主義者でもなんでもなくて、 ただ「面倒なだけ」のような気もする。 単に変化を嫌がる怠惰な奴ってだけ?

私が日本を出るときは、たぶん日本が沈没(たぶん物理的な意味ではなくて)して 海外に移住せざるをえないときなんだろうなあ。

で、そう思う私がいて、閉塞感を感じてアメリカに行く近藤さんがいる。 どっちが正しくて、どっちが間違っているということはないと思うけど。 自分と違う行動力はまぶしく見える。

_ キミならどう書く 2.0 - ROUND 2

LL Ringの課題、二問目。

お題は「Collatz予想」(角谷予想,3x+1問題)についての問題です.

Collatz予想の収束までのステップ数の最大値を求めよ. Collatz予想とは,1以上の自然数 n に対して,次の関数 f(n) が必ず1を返すものとする.

...

嬉々として解いている人がたくさんいるのは承知してるし、 パズルとして面白いというのも否定しないけど、 正直言って、つまんない。

一問目が素数でしょ。 なんか現実から乖離してる気がする。

数学が役に立たないなんて言うつもりはないし、 むしろ数学ができない自分に劣等感を感じてるんだけど、だけど、 なんていうかな、LLが本当に役に立つのは 「でかくて汁もしたたるような」日常の問題ではないかと。

私が関数言語にそそられない理由のひとつが、 例題が地に足がついてないように感じられること。 その点、『ふつうのHaskellプログラミング ふつうのプログラマのための関数型言語入門(青木 峰郎)』は例外例題が具体的で良かった。

まあ、賛否両論あるだろうけど。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]
_ 田辺 (2006-07-22 03:37)

やっぱり、プログラミングは楽しいものだから、楽しむまでです。

_ zunda (2006-07-22 05:26)

「例外が具体的」は「例題が具体的」でしょうか?具体的な例外もいいけど…僕もあおきさんの本を買おうっと。

_ hyuki (2006-07-22 05:54)

s/例外/例題/ .... あ、すでにzundaさんが書いていらした(^_^; 早起きですね。

_ no-name (2006-07-22 08:52)

Shiroさんのサイトは去年、新ドメインpractical-scheme.netに移行したので、URLはそちらのほうがよろしいかと思います。<br>http://practical-scheme.net/trans/being-popular-j.html#2<br><br>以下、Wiliki「初心者の質問箱」から引用<br>---------------<br>Shiro(2005/11/07 16:50:54 PST): ドメイン取ったのは少し前です。今は ミラーしてますが、そのうちshiro.dreamhost.comの方はリダイレクタに 置き換えると思うので、ブックマークなど直して頂けたらありがたいです。

_ まつもと (2006-07-22 09:19)

リンク張り替えておきました。ありがとうございます。> no-nameさん

_ (2006-07-22 11:04)

LLの強みは「アイディアを素早く試せる」ことだから、そのアイディアの対象が実世界の問題でも数学やパズルの問題でもかまわないんじゃ。「本当に役に立つ」のが「日常の問題を解く時」というのは、微妙にトートロジーのような気がしますし。<br>それに、日常の問題を日常的にLLで解決している立場からすると、それをお題で出されても日常の延長でつまらないかも(笑)。

_ すずきひろのぶ (2006-07-22 23:10)

和田先生が以前FSIJで話してくれたパラメトロンコンピュータの話題でで面白いこといっています。「パラメトロンコンピュータを一番使っていたのは実際に問題を解く必要がある工学の連中だった。コンピュータ屋は双子素数(だったかな?よく覚えていないや)のような計算のための計算ばかりやらせていた。」それを聞いたとき、今も昔も変わらないんだなぁと。算術計算させるのはテクニックを磨くにはなかなか良いけどね。自分でも円周率計算とかやっているけどさ。でもそれは手段であって目的ではない。手段の目的化の罠に嵌っちゃって、しかも、それがまともだと思うようになっちゃ重病だよな。

_ ゆーぼー (2006-07-23 23:15)

> 日経Linux完了<br>って、「プログラミングのオキテ」が終わる訳じゃないですよね?<br>毎月ここが楽しみで、他には興味のない記事ばかりでも、\1490円払って買っています。<br>素数を求める方法にも脱帽しましたが、socketの解説には、新しい世界が広がった思いです。

_ まつもと (2006-07-23 23:39)

今月の原稿が完了したという意味です。ご心配なく。<br>当面止めるつもりはないのですが、そういえば最近編集の人から「急ぎませんが、打ち合わせたいことが」とメールをいただきました。打ち切りだったらどうしよう。

お名前:
E-mail:
コメント:
[]

«前の日記(2006-07-14) 最新 次の日記(2006-07-16)» 編集

track feed Matzにっき Creative Commons License This work is licensed under a Creative Commons License.