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Matzにっき


2006年02月15日 [長年日記]

_ [原稿] オープンソースマガジン・ゲラ

ゲラ修正。提出。なんかあんまり面白くないなあ。

_ [Ruby] 小人さん

Rubyはメソッド呼び出しのときに、クラス階層をメソッドを探して、見つかればメソッドキャッシュに格納する。ここで見つからなければ、見つからなかったという情報もキャッシュに載せておけば失敗についても何度も探索する必要がなく、 method_missingを多用するプログラムが高速化する、かも、と考えた。

で、じゃあ原稿も一段落ついたし、ハックしてみるかとソースを見たら、なんともうできていた。びっくり。小人さんの仕事か。

cvs annotateの結果を見るかぎり、やったのは7年前(!)の私のようだ。

_ [OSS] 「仕事でオープンソース・ソフトを開発したければ有名人になれ」,Seasar2開発者のひが氏

まあ、同感だ。

ひが氏によると,オープンソース・ソフトの開発者に共通した悩みは「開発の時間が取れないこと」。たいていは,休日や仕事が終わったあとにオープンソース開発を行うことになる。一方,ソフトウエアをユーザー企業に安心して使ってもらうためには,そのソフトウエアがデイ・ワークで開発されている必要がある。ユーザー企業は,24時間サポートなどによる安心感を求めるからだ。

ところが「(開発者が所属する)企業がオープンソース活動を仕事として認めてくれることは基本的にない」(ひが氏)。オープンソースの世界でどんなに有名になっても,企業は興味ないからだ。この問題を解決するには,プロダクトと自分自身の知名度をアップさせる必要がある。要するに自分が「有名人になる」(同氏)のである。そうすれば,企業側にとっても“広告塔”としての意味が生まれ,中途/新入社員が採りやすくなるというメリットが生じる。ただし,「有名人を目指すことはあくまで手段であり,目的ではない」と同氏は釘を刺す。

まあ、確かに「Rubyの開発者」として認知されることで、普段からRubyの開発していられるようになったものなあ。

前の会社のときには時間はとられるくせに、認めてはもらえないから完全に二重生活。


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