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Matzにっき


2006年01月12日 [長年日記]

_ [Ruby] Charming Ruby Compiler

ポータブルバックエンドのC--を対象にしたRubyコンパイラの研究。

博士論文(あるいは卒論?)のプロジェクトなので実用になるレベルまで発展するかどうかは 未知数だが、大変興味深い。

ん? また、スウェーデンか。以前.NETを対象にした研究をしてた人も確かスウェーデンだったよな。 大学は違ったように思うんだが(うろ覚え)。

あの国はこういうプロジェクトが好きなのかな。

_ [Ruby] The Open Nature Of Ruby

RubyのOpenクラスの功罪について。

Openである(既存のクラスに動的に機能を追加できる)ことは、 結局はグローバルに変更を行うことだから、副作用があり、危険でもあるが、 同時に普通の手段ではできないことができる可能性もある。

特にオブジェクト指向プログラミングにおいて、システムが提供するものも含めて オブジェクトに挙動を追加できる(or 変更できる)のはすごいパワーを発揮できる。

だが、単なる追加ならともかく、「変更」は冒険だ。 jcode.rb(文字列をマルチバイト対応にする)やmathn.rb(除算などを有理数対応にする)などは、 グローバルな影響の範囲が見積もれないので気安く使えない。

そこで、Classboxという「その上」を考えている必要が出てくるのだ。


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