«前の日(08-13) 最新 次の日(08-15)» 追記

Matzにっき


2003年08月14日

_ 買い物

昨日まで遊び過ぎたので、今日はおとなしく。

買い物で立ち寄ったリサイクルショップでVisor Deluxが4000円。 ちょっと心引かれた。今のVisor Edgeがだめになったときのバックアップ用に欲しいかも。

でも、決心できずに買えなかったと言う。決断力がない。

_ [原稿]Linux Magazine

休暇中とはいえ、バグレポートも〆切も遠慮なくやってくる。

家族の不評を買いながらも、深夜原稿を書いてたりするわけだ。

10月号の原稿のテーマは「オブジェクト指向」。この日記で書いたり、 ツッコミを受けたことを参考に初心者にもわかりやすいように書くように心がけたのだが、 ....読み返すとあんまり初心者にはわかりやすくはないかも。

だいたい用語が多すぎるんだよね。オブジェクト、メソッド、クラスなどなどなど。 しかし、オブジェクト指向という概念そのものがこれらの用語に依存しているので 説明しないわけにもいかないし。ぶつぶつ。

せめて実際に経験してもらおうとirbについても少々紹介してみた。 が、まだ規定のページ数には足りないみたい。もうちょっと。


2004年08月14日

_ [教会]福岡神殿

妻と一緒に福岡神殿へ。いつの間にか小郡から新山口に名前が代わった駅から「のぞみ」に乗って博多まで。 行きは700系ののぞみであった。なんでこんなカモノハシみたいなデザインなんかねえ。 空力を考慮したんだろうけど。

時間があったので博多駅周辺を歩き回ってから、バスに乗って神殿まで。 昨日からこちらに来ていた弟にあって書類を受け取り、 妻の先祖の儀式を行う。

その後、またバスで博多駅まで。乗るバスを間違えて天神経由になってしまったが、 福岡の街が見れたので、それはそれでよかったかも。

あとは少々買い物をして、留守番をしている子供たちにおみやげを買い、 また「のぞみ」に乗って山口に帰る。 帰りは500系。こっちの方がかっこいい。っていうか、飛行機みたい。

博多から新山口までは30分くらいで着いてしまう。近いもんだ。

_ [原稿]Linux Magazine

10月号の原稿。しかし、この夏の真っ盛りに「10月」とはいかがなものか。 私の連載には季節ネタはないとは言え。

今月のテーマは「Webアプリケーションの基礎」と題して、HTTPやらCGIやらの(Rubyと直接関係ない)基本的な部分と、 性能改善の手段であるmod_rubyとFastCGIについて。とはいえ、mod_rubyもFastCGIもさわりだけで、 ちゃんとした解説とは呼べないような。

しかし、帰省中でいろいろ忙しくて(福岡にも行ってるし)、結局今日の時点では半分しか完成してない。 〆切は月曜日まで延ばしてもらったのだが、月曜は松江に帰る(つまり半日運転する)日だし。 ちょっとあせる。


2005年08月14日

_ [教会] 松江

お盆のせいか 里帰りの人が何人か。

セミナリーグランプリについて語ってくれた人もいる。

帰ったら今日こそは溜った日記を片付けようと思ったが、 やっぱり昼寝してしまうのであった。


2006年08月14日

_ [Ruby] Ruby on Rails will ship with OS X 10.5 (Leopard)

LeopardにはRailsやらRubyGemsやらが標準添付されるという話。

OSXはますますRuby(Rails)的開発環境になるなあ。

そろそろMac OS Xを入手して、Rubyの主要開発環境とすべきか。 とはいえ、先立つモノが...。

_ Segmented Garbage Collection

夕べ、布団に入ってつらつらと考えていると、 (また)GCの新しいアイディアが湧いてきた。 で、その場でメモしておいたのだが、 一晩寝てから考えると、そんなに性能は出ないような気がしてきたなあ。

実際に実装してみないとわからないけど、批判的モードの目で見ると、 ライトバリアのコストと、 リメンバードセットの(空間)コストが馬鹿にならないような気がしてきた。

まあ、時間作ってダメもとで実装してみるかなあ。

_ XMLのメリット、デメリット

XMLのメリット・デメリットについて改めてまとめてある。

問題はメリットの方。ここであげられているのは以下のもの。

XMLとその関連技術をひととおり学んだら、XMLを使用する際のメリットとデメリットを自分なりにあらためて整理しておくことをお勧めする。
  • データ公開の容易さ

    XML はHTMLと同様にWebとの親和性が高く、データをWeb上に公開することが容易である。そして公開されたXMLデータに対しては、URLの入力により簡単にアクセスできる。データを利用する側では、公開されたXMLデータをいつでも取り込み、有効に活用することができる。

  • データの再利用性

    XML をアプリケーションやシステム連携の際の共通フォーマットとして利用すれば、データの再利用性が高まる。例えば企業内の既存システムには、さまざまなデータが蓄積されているが、XMLフォーマットを活用することで、社内ネットワークを通じてイントラネット上でデータを表示することができる。つまり、データの2次利用が容易にできる。

  • データの拡張性

    現在公開されている RSSデータに対して、既存の要素とともに、これまで使用されていない新しい要素を追加することができる。既存のアプリケーションでは既存の要素のみを処理し、新しく作成されるアプリケーションでは、既存の要素とともに新しい要素も処理できる。このようにXMLフォーマットには拡張性がある。

  • データの長期保存性

    XML データはテキストで記述することができ、特定のOSやアプリケーションに依存せず、データを長期保存する際に適している。また前述のようにデータに拡張性があることは今後長期にわたってデータを扱ううえでの運用上のメリットであり、データの長期保存性を向上させる。

さて、このメリットのいずれも「XMLならでは」ではない。 プレーンテキスト、S式、YAMLなどでいけない理由はない。

この記事は一応は「XMLのプロ」による記事なのだと思うのだが、 それで改めてメリットを紹介するのに、この程度のメリットしか出てこない というのはどういうことなんだか。

XMLの「本当のメリット」ってなに?

(追記)

いろいろと反応があって嬉しい。 「XMLの本当のメリット」について、いろいろな意見をいただいた。 せっかくだからまとめておこう。

なお、独断と偏見によってあらかじめ分類している。

  • 非技術的(政治的)なもの

    頭から否定するわけではないが、あまり感心はしないものが多い。

    • 捺印ナビリティ(zundaさん)
    • 仕様が決まっていること。スタンダードであるという事(takahashimさん、苺さん)
    • 頭文字が"X"なのが格好いい(ほるほるさん) - 意外と重要なことかも
    • 標準と思われていて皆が使うから(MMXさん)
    • とりあえず流行っちゃってること(uruさん)
    • namespaceの仕様が標準化されている(るとさん)
    • API(DOM)が標準化されていて普及しているのが大きなメリット(ikemoさん)
  • XML独自の利点ではないもの

    そういう利点はあるかもしれないけど、別にXMLでなくてもいいよね、というもの。

    • 構造のあるデータが書けること(すずきひろのぶさん)

      別にS式でもYAMLでも書けますよね。拡張性のあるテキストのマークアップという意味(テキストが主、マークアップが従)ならSGMLの系譜を否定しませんが、データ記述や設定ファイルにまでとなると話は別です。

    • プログラミング言語に依存しない(maedaさん)

      YAMLもJSONも依存しませんね。

  • その他
    • タグの意味が標準化されている(maedaさん)

      XMLのタグの意味はごく一部(preludeとか)以外は標準化されていないんじゃないでしょうか。標準化されているのはXML文法を利用した規格(SVGとか)ですよね。それでは「野良XML」を説明できません。

    • 誤り訂正に強い?(tamotoさん)

      そういう話はありますね。でも、デメリットを上回るメリットかどうかは疑問です。

マインドシェアと標準化について

「XMLは流行ってるから」とかいう理由を否定するつもりはない。 けど、技術者としては(この「Matzにっき」のような場所では)、政治的な思惑を離れて本音ベースで「これこれこういう技術的メリットがあります」というような話がしたい。

その点、「標準化されている」というのは、 実際には「流行ってる」と同じようなことを表現していても、 技術者的に納得しやすい(よく使われているからこそ標準化されるわけで)。 もっとも、「標準化されていないと使えない」という話になれば、 RubyもPHPもPythonも使えないわけで。 Javaもちょっとだけ怪しい(最終的には私企業の仕様だから)。 その点ECMAに提出されたC#は意外にも安心だ。

逆にこれらが使えるという環境であれば、 ある程度安定していれば「標準化されているかどうかは関係ない」とも言えるかもしれない。

namespaceとDOMについて指摘してくださった方もいらっしゃるが、 「野良XML」のほとんどはnamespaceを使ってないような気がするし、 DOMも結局はそのフォーマットに対するアクセスAPIがあるかどうか というだけのような気もする。

言うほどそんなに人は言語やライブラリを渡り歩かないし。


2007年08月14日

_ 帰宅

松江に向かう。 途中買い物したりしたので、帰宅するまで6時間くらいかかった。 島根県、東西に長すぎ。

_ [Ruby] masuidrive on rails >> Blog Archive >> PHPユーザの為のRuby/Rails入門

増井さんが社内で行ったRails勉強会の資料。 この手の勉強会、楽天の中でもやった方が良いなあ。 増井さんと交渉するか。


«前の日(08-13) 最新 次の日(08-15)» 追記