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Matzにっき


2003-05-07

_ [] 『達人プログラマー』

『達人プログラマー』を注文する。 原著は著者たちからもらったサイン入りを持っているものの、 日本語訳は持ってなかったからだ。

これは自分が読むのももちろんだが、プロジェクトメンバに読ませることになると思う。 今回のプロジェクトは時間も人間もタイトなので、かえってこのような「知恵」を 身に付けてもらうことが重要になると考えたからだ。

彼らのインタビューも参考になる。

しかし、DaveとAndyはすごいなあ。 このような人たちに注目してもらって、まで書いてもらった Rubyはなんとラッキーなのだろう。

_ [XML] 純粋XML批判

で、Pragmatic Programmersのインタビューの最新が XML批判であった。ちょうどLinux Magazineの最新号の連載で展開していたXMLについての批判とほぼ共通している。 要するにXMLは広く使われすぎ、ということである。

XMLは元々マークアップ言語である。それが構造データの表現として使えるからという理由で 使ってしまうのは、開発者の怠慢に過ぎない。XMLは

  • データ量が増える
  • 人間に読める(readable)かもしれないが、理解できる(understandable)わけではない
  • 人間が書くには繁雑すぎる

という特徴によって、構造データ表現としては最悪に近い。 連載でも述べたが、構造データ表現のファイルフォーマットなら、 YAMLの方が1024倍は良い。

ただし、XMLにも価値がないわけではないと思う。 文書データ相互変換のピボットを考えるならば、 (たとえばdocbookなどとともに)XMLを使う以外に「まともな」解は存在しないだろう。 ツールもプロトコルも適材適所ということである。

「ハンマーを持つ人にはすべてが釘に見える」ということわざはXMLに限らず真実である。 いや、Rubyにおいてもその通りであろう。自戒しなきゃ。

_ [Ruby]下手な考え休むに似たり

Numeric#stepがFloatに対して正しく動かない問題に半日悩んでいたのだが、 こちらを直せば別の問題が出る、という具合でなかなかうまくいかない。 結局、田中昌宏さんが[ruby-dev:20177]で対応してくださった。 これは全部のテストが一発で通った。うーん。

やっぱり、私が数値関連に手を出したのがまちがいだった。 「下手な考え休むに似たり」あるいは「餅は餅屋」。

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2004-05-07

_ [聖書]放蕩息子

先日、自己責任についたら、いろいろなコメントを受けた。 もうずいぶん時機を過ぎたと思っていたのだが、いまだに注目を集める話題だったとは。

その中でのコメント:

「放蕩息子の帰還」の説話が広がるといいのですが……(クリスチャンじゃないので、間違っていたら不適当だったらごめんなさい)

放蕩息子とは新約聖書にあるたとえ話である。「放蕩」とはあまり聞かない単語だが、 広辞苑によると

放蕩
ほしいままにふるまうこと。特に、酒色にふけって品行が修まらないこと。放埒(ほうらつ)。道楽。「―して家を潰す」「―息子」

ということで、「どら息子」という感じか。

聖書にはたとえ話がたくさん出てくるが、どれも素晴らしい。 このたとえ話も鑑賞してみよう(ルカによる福音書15章)。

また言われた、「ある人に、ふたりのむすこがあった。

ところが、弟が父親に言った、『父よ、あなたの財産のうちでわたしがいただく分をください』。そこで、父はその身代をふたりに分けてやった。

それから幾日もたたないうちに、弟は自分のものを全部とりまとめて遠い所へ行き、そこで放蕩に身を持ちくずして財産を使い果した。

何もかも浪費してしまったのち、その地方にひどいききんがあったので、彼は食べることにも窮しはじめた。

そこで、その地方のある住民のところに行って身を寄せたところが、その人は彼を畑にやって豚を飼わせた。

彼は、豚の食べるいなご豆で腹を満たしたいと思うほどであったが、何もくれる人はなかった。

そこで彼は本心に立ちかえって言った、『父のところには食物のあり余っている雇人が大ぜいいるのに、わたしはここで飢えて死のうとしている。

立って、父のところへ帰って、こう言おう、父よ、わたしは天に対しても、あなたにむかっても、罪を犯しました。

もう、あなたのむすこと呼ばれる資格はありません。どうぞ、雇人のひとり同様にしてください』。

そこで立って、父のところへ出かけた。まだ遠く離れていたのに、父は彼をみとめ、哀れに思って走り寄り、その首をだいて接吻した。

むすこは父に言った、『父よ、わたしは天に対しても、あなたにむかっても、罪を犯しました。もうあなたのむすこと呼ばれる資格はありません』。

しかし父は僕たちに言いつけた、『さあ、早く、最上の着物を出してきてこの子に着せ、指輪を手にはめ、はきものを足にはかせなさい。

また、肥えた子牛を引いてきてほふりなさい。食べて楽しもうではないか。

このむすこが死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから』。それから祝宴がはじまった。

ところが、兄は畑にいたが、帰ってきて家に近づくと、音楽や踊りの音が聞えたので、

ひとりの僕を呼んで、『いったい、これは何事なのか』と尋ねた。

僕は答えた、『あなたのご兄弟がお帰りになりました。無事に迎えたというので、父上が肥えた子牛をほふらせなさったのです』。

兄はおこって家にはいろうとしなかったので、父が出てきてなだめると、

兄は父にむかって言った、『わたしは何か年もあなたに仕えて、一度でもあなたの言いつけにそむいたことはなかったのに、友だちと楽しむために子やぎ一匹も下さったことはありません。

それだのに、遊女どもと一緒になって、あなたの身代を食いつぶしたこのあなたの子が帰ってくると、そのために肥えた子牛をほふりなさいました』。

すると父は言った、『子よ、あなたはいつもわたしと一緒にいるし、またわたしのものは全部あなたのものだ。

しかし、このあなたの弟は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから、喜び祝うのはあたりまえである』」。

[ルカ 15:11-32 より引用]

基本的には「失ったものが返ってきた時には喜びがある」というテーマである。 参考となる知識は以下の通り。

  • ユダヤ人は戒律により豚を食べない。よって豚を飼うのは基本的に異邦人であり、 ユダヤ人にとっては最下層の職業。
  • 兄が非難されているようにも読めるが、実際は兄は立派な人物である。 ただ、弟に対しては不寛容であった。 彼が弟のことを「このあなたの子」と呼んでいることからも察することができる
  • 一般には弟は「罪人」、兄は「パリサイ人(or ユダヤ教聖職者)」と解釈されることが多い。 ここで「罪人」とは、戒律に厳密に従っていない人という意味。

これを今回の人質騒ぎに適用すると、「とりあえず助かってよかったね」ってことですか?

_ [教会]『あなたの宗教は何ですか?』

夜、なにげなくNHK教育の「ハングル講座」を見ていた。

おととしの戦隊モノの悪役だったお姉さんが出てたり、 今年の仮面ライダーのお姉さんが出てたりして、最近は特撮の地位が向上したなあ、 などどぼ〜っと見ていたのだが、韓国人女生と日本人らしい男性の登場するスキットの内容に すこし(いや、かなり)驚いた。

韓: あなたの宗教は何ですか。
日: 特に宗教はありません。あなたは。
韓: 私はキリスト教を信じています。あなたはキリスト教について知っていますか。
日: ええ。
韓: じゃあ、今度教会に行きませんか。
日: はい、明日一緒に行きましょう。

なんとストレートな。前から韓国は日本よりもクリスチャンの割合が多い(1/3くらい?)とは 聞いていたが。

フラビージョは「このふたりいい感じですね」などとコメントしていたが、 案外それは当たりかもしれない。 彼は魅力的な女性に誘われたから教会に行く気になったというのは、ありそうな話だ。

しかし、たまにはストレートなアプローチも見ていて気持ちがよい。

あなたの宗教は何ですか。

キリスト教について知っていますか。

今度一緒に教会に行きませんか。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

_ naruse [例の三人が本当に危機的状況から帰還し、また「あなたにむかっても、罪を犯しました」と言っていたならば、帰還を喜び祝った..]

_ べええ [いいですね。このようなストレートなお誘い。時にはこういうのもよさそうですねぇ。]

_ sophia [はじめまして。私はクリスチャン(ローマカトリック)ですが、ミサに連れて行くと子供たちは飽きるし旦那はいやがるし・・・..]

_ kou [私が死んだら放蕩息子は生きていけるか心配だからと まじめな息子ではなく、放蕩息子に全財産をやったという話は、、、 ど..]

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2005-05-07

_ 風邪

ひきつづき休息を取らざるをえない。 なんだか背中がひどく痛む。筋肉痛になるようなことはなにもしていないので、 やはり風邪が原因の痛みだとしか考えられない。

長女も具合が悪いので、ふたりでおとなしくしている。 私と娘とで症状が違うのが気にならないでもないが。

で、たまったメールを片付ける生活。 休日と論文で忙しくて放っている間に数百通のメールがたまっている。 これを片付けるのもホネだ。

特異クラスの英語の名称(singleton class)がSingletonパターンを実現する Singletonクラスと名前がぶつかるから良くないというメールがruby-talkに。 ケンカを売るような尊大な口調は感心しないが言わんとすることはわからないでもない。

でもね、Singletonパターンと特異クラスの区別がつかないってことはないと思うんだけどなあ。 あんまり良い名前も思いつかないし。

_ [言語] PYTHON CHALLENGE

で、暇を持て余して少しずつ解いていたのが、これ。

Pythonを使ってクイズを解くというもの。思考力が下がっているので、 あんまり進まない。で、レベル5でPython固有の機能を使わないと解けない問題があったが、 そこのデータ解析だけPythonを使って、残りはRubyと他のUNIXツールを使って解いた。 っていうか、Pythonの基本的な使い方さえ身についていないので、 調べるための時間が苦痛で。

だが、レベル14で厭きてしまって放置している。 なんだか画像を加工する問題が多くて、やる気が出ない。 あ、RubyにはPIL (Python Imaging Library)相当がないからかな。

[]

2006-05-07

_ [教会]断食安息日

司会。

一人の人の証が印象的であった。 最近バプテスマを受けたこの人は 「私は教義よりもむしろ教会の人の人となりを見て教会に入りました。 聖書についてはこれから勉強します」とのこと。

それって、すごく嬉しいことだが、同時にちょっと恐いことでもある。 私たちの行いが教会やキリスト教を代表していることになるからだ。

このように、あなたがたはその実によって彼らを見わけるのである。

[マタイ 7:20 より引用]

夕方、次女がふらふらになっている。 そんなにしんどいなら断食しなくてもいいよ、と言ったのだが、 一度決めたから、と聞かない。

決意が堅いのは尊敬に値するけど、 そんなに無理をすることも無いような気もする。 あと、半日でそんなにふらふらになるようでは 本当に飢餓が来たらどうなるんだろうか。

(追記) 元々この「にっき」では教義的な話をしないつもりでいたのですが、コメントでは質問されるままにかなり難しい話を書いてしまいました。しかも、私の至らなさで前提を共有しない人にはかえって混乱を招いたり、誤解を増長したりする返答になってしまったようです。不愉快に感じた方がいらっしゃればおわびします。コメント欄は削除することにします。 以後、教義的な点について話したい、指摘したい、などの人がいれば、コメント欄ではなく私信でお願いします。

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2007-05-07

_ [言語] PEP 3117 -- Postfix type declarations

Python 3000 PEP。型情報を変数名の末尾につけることで、 オプショナルな型を実現しようというアイディア。

こういうのもSigilって言うんだろうか。 3秒くらい「?」マークが浮かんだ*1

ちょっと鈍すぎる。

*1  PEP3117の日付に注目

_ [言語] The Concepts and Confusions of Prefix, Infix, Postfix and Fully Functional Notations

Mathematicaの通常形式とFullFormとを比較することで、 functional formが適切でないケースがあることがわかる、という話。

確かに、

cat a b c | grep xyz | sort | uniq

(uniq (sort (grep xyz (cat a b c))))

でどっちが読みやすいかと言われたら、ま、適切でないケースもあるよな、と思う。

_ [Ruby] Lazylist implementation for Ruby

RubyにおけるLazyListの実現。

こういうのを将来のArrayクラスに突っ込みたいんだけど、無謀かなあ。 違う言語になっちゃいそうだけど。

しかも、その為にはcontinuationかcoroutineかfiberを YARVに組み込まないといけないような。先は遠そう。

_ Foo Camp

FOO CampのFOOというのはFriends of O'Reillyの略で、 Tim O'Reillyから招待状をもらった人だけが参加できるギークイベント。 「選民主義」と揶揄する人もいるみたい(そういう人が始めたのがBar Camp)。

で、今年はこの招待状をもらったんだけど、アメリカまで行って参加する気にはならないなあ。 欲しがっている人から見たら「なんてもったいない」と感じるのかもしれないけれど。

_ 聖書の登場人物が戦う格闘ゲーム「Bible Fight」 - GIGAZINE

格闘ゲーム。 えーと、キリスト教国ではこんなものも登場するのでしょうか。

ま、確かに、以前、アメリカのおもちゃ屋で モーセやらイエス・キリストやらのアクションフィギュアを 見た時にはちょっと感動した。

その時、隣にあったのはフロイトのフィギュアだった。誰が買うのよ...。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

_ MMX [型情報は 構文着色で 済ませるので Sigilは いらないのでは。]

_ まつもと [構文着色ってエディタのカラリング? 動的言語で型情報で色をつけるエディタって知らないですけど。 そんなのすでにあるん..]

_ 通りすがり [海外でも温泉マークが認知されているとは知りませんでした。]

_ MMX [そうですね、出来るとしたら ソースデバッガー かな。 変数にマウスオーバーで表示は今でもあるが]

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