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Matzにっき


2004年02月20日

_ [OSS]出張二日目

午前中は意見交換会。われわれのような零細企業と超大企業では オープンソースに関する戦略も違ってくるのは当然だが、 再認識させられる点も多い。一応、こちらが経験者(先駆者)として情報提供というスタンスのはずだが、 勉強になることが多い。

午前中で用事は終わり、出発。研究所長さんやら部長さんやらにお見送りをしていただき、恐縮する。 こんなに良い扱いを受ける出張も珍しい。

上本町の近鉄百貨店の催事場で昼食にミニてっちり。堪能する。 良い出張であった。とくに食べ物が。満足度のためには食べ物じゅーよー。

追記:

大企業におけるオープンソース戦略については、末松教授による日本IBM会長のインタビューも参考になる。

_ [M17N]多言語化ライブラリ

こちらがぐずぐずしているうちに産総研から多言語化ライブラリがリリースされた(プレスリリース)。

まいったなあ。私が考えてたものよりもずっと網羅的だし、機能も高い。

こちらで用意する予定ではなかったが、産総研ライブラリにはあるもの:

  • 入力機能
  • 変換機能
  • ネスト可能なテキストプロパティ
  • 出力機能

なんだ、ぜんぜん負けてるじゃん。こっちは文字列処理しかないんだから。 へこむなあ。

あえて、こっちが勝っている点を探すと

  • 正規表現マッチ
  • 変換不要な文字列処理
  • プラガブルなエンコーディングサポート

くらいか。無駄ではないと自分を慰めるとしよう。


2005年02月20日

_ [教会] 米子訪問

米子の教会を訪問。出雲の次に近いからありがたいが、家族や古くからの知人ががいるので恥ずかしい気もする。まあ、今は両親がいないからまだマシか。

お話しのテーマは聖約。「約束を守る」という基本的な話から、 「人と人の約束」さらには「人と神との約束」について。 あと、自らの経験から「その時かぎり果たすのではなく、継続して守る」ことと、 「あらかじめ備えることにより、楽に約束を守れる」ということについて。

自らの経験ってのは、〆切前の苦労だったりするんだけど。 〆切は何ヶ月も前に分かってるんだから早めに取り掛かれば楽なのにねえ。


2006年02月20日

_ [会社] お客さま

会社にいても、私に来客があることなんかあまりないんだけど、今日は珍しく二件もあった。

一件はうちの会社の見学。転職したい、かも、という話。

私のチームはできる人若干名募集中なのだが、家族のこととかいろいろあるから、どうするのかな。ま、うちの会社についてわかってもらえたのではないかと。

二件目は韓国からの見学者。なんでも本日、韓国企業と島根の企業とのマッチングを行うイベントが行われたらしいのだが、その一環で韓国政府の関連組織の人がうちを見学したいとか。

社長と私とでどんなことをしているかとかを簡単に紹介した。それなりに感心してもらえたようだ。

それにしても、韓国語ってよく聞くと分かるような、やっぱり分からないような。

_ [Ruby] るびマっ 13号

本日公開。今回も内容は盛り沢山。これを続けているってだけでもRubyコミュニティはすばらしい。

  • 0013 号 巻頭言
  • Ruby の歩き方
  • Rubyist Hotlinks 【第 13 回】 関将俊さん
  • RubyOnRails を使ってみる 【第 6 回】 テストの書き方
  • qwikWeb の仕組み 【第 2 回】 qwikWeb のプラグインを作ってみよう
  • あなたの Ruby コードを添削します 【第 3 回】 dbf.rb
  • 標準添付ライブラリ紹介 【第 7 回】 net/http
  • Rubyist のための他言語探訪 【第 6 回】 Dylan
  • プログラマーのための YAML 入門 (探索編)
  • YARV Maniacs 【第 7 回】 YARV 命令セット (4) 分岐
  • 世界の Rubyist
  • 書籍紹介『Ruby プログラミング基礎講座』
  • 読者プレゼント
  • RubyNews
  • RubyEventCheck
  • 編集後記

2007年02月20日

_ 天才になるのに遅すぎるということはない

若くて早熟で大胆な人も、大器晩成な人もいる、とういう話。

私はどっちかなあ。とはいえ、世の中にいるのはどちらにも属さない 「普通の人」が大部分なわけだが。

何かを達成した時点で、若いかそうでないかはさほど重要ではないように思う。 事実、若いけど硬直した考えの人も、年を取っていても柔軟な考えの人も知っている。

だとすると、重要なことはなにか。

個人的には、 「自らに枷をはめない(ブレーキをかけない)」ことと、 「巨人の肩に乗る(他人の成果を活かす)」ことではないかと思う。

「まだ私は経験が足りないから」も、 「もう新しいことを始めるには若くないから」も 言い訳であり、自分に対する枷である。


2008年02月20日

_ Google TechTalk

朝から団体さんでGoogleへ。 しかし、訪問するところがどこもシリコンバレーなのに 宿泊場所がサンフランシスコというのは無駄ではないのだろうか。

Googleにつくとさっそくプレゼン。 X61がXを立ち上げ直さないとプロジェクターを認識しないという問題があるのだが、 それ以外は快調。内容は昨年末の神戸での講演をベースに若干アップデートした上、 英訳したもの。神戸ではより少ない枚数で1時間話したような気がするのだが、 英語ではそんなに話せない。あんまり緊張したので時間を覚えていないのだが、 質疑応答をたしても1時間くらいか。

1.9のM17Nの実装について突っ込んだ質問をしてくるどこかで見たような人がいたが、 Guido van Rossumその人であった。

その後、Google Lunchをいただいた。Guidoも一緒に。

まず、Googleの料理だが、大変おいしかった。 個人的には日本的な味つけの楽天ランチの方が好みだけど。 しかし、空間の余裕はGoogleカフェテリアの圧勝。

Guidoとの会話だが、Unicodeの実装など技術的な話題や、 互換性の維持の運営などの話が中心であった。 終始フレンドリーであったことを報告しておきたい。 並んで写真も撮ったしね。

「Python 3.0のリリースが完了したら、次はどうするの」と聞いたら、 「引退する」とのこと。すぐに「冗談だよ」と言ってたけど、 後継者については考えはじめているようだ。 「最近参加した人に若いけど見込みのある人が(複数?)いる」、 「昔からかかわっている人は優秀だけど、役割が決まりすぎている(スペシャリストすぎる)気がする」と のことであった。ふむ、興味深い。実装と言語デザインではまた違ったバランス感覚が要求されるしね。

最後に、「Haskellみたいなブレースの使い方を採用する気ない?」と尋ねたら、 「いろんな文法の変更を試している人がいるから、その中のひとつとして考えてみる」という ことであった。これが実現したら大喜びする人も多いように思うけど(lambdaで複文が使えるようになるし)、 それほど乗り気であるようにも見えなかったので過大な期待は禁物である。

その後、伊藤忠アメリカの事務所でシリコンバレーの現状を聞いて(昨年とあまり変わってないような)、 それから、スタンフォード大学によってから*1サンフランシスコ空港へ。 さらにポートランドへ。

それからバスでホテルへ。 Hilton Portrand。なんで今回のツアーはHilton好きなんだ? ネットアクセスはあいかわらず有料。次回はネット無料のところに泊まろうよ。 アメリカではそんなに多くないのは知ってるけど。

24時間$9.95とサンフランシスコよりは安い。けど良心的価格とはなかなか呼べないなあ。

*1  勘違い。実際にはスタンフォードに寄ったのは19日であった

_ B・ゲイツ氏、マイクロソフトとスタンフォード大学の結びつきを強調:ニュース - CNET Japan

ちょうど私たちがスタンフォードに寄った直前にそこでビル・ゲイツが講演していたらしい。 ニアミス。

追記

NaClさんに指摘されたように、スタンフォード大学訪問は19日。 ニアミスしたのは本当。

_ 月蝕

後で聞いた話なんだけど、今晩この地方では月蝕が観測されたらしい。 どうやら到着した時点ではちょうと全部隠れている時間だったらしく 全然気がつかなかった。惜しいことをした。

_ [言語] greenlet Lightweight in-process concurrent programming

通常のCPythonでstackless threadを実現する拡張ライブラリ。

アセンブラを使ってるんで移植性は限定的だけど、 コンパクトだし、使いではありそう。 Rubyでも似たようなテクを使ってFiberとか実装するといいんだろうか。

後で本気でソースを読んでみよう。


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