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Matzにっき


2007年10月02日 [長年日記]

_ [言語] プログラミング言語「ドリトル」 - Dolittle

うちに帰ったら、長女が「お父さん、プログラムって面白いね」という。

耳を疑った。

彼女は「どうせMatzの娘と言われるだけだから」とシニカルな態度で プログラミングに興味なんかぜんぜん見せなかったのに。

話を聞くと、技術の先生が、学校のパソコン室のコンピュータにドリトルをインストールしてくれていて、 それのタートルグラフィックスで遊んでみたのだそうだ。

パパート先生、ありがとう。

その他、ドリトルの関係者の皆さんにもお礼を言いたい。

ま、それ以上、興味が進んだ風ではないのだが、 とりあえずプログラミングが面白い(こともある)と 感じてくれただけで、私は満足だ。

_ [Ruby] 【CEATEC】東芝がCell上でRubyを使った家電向けユーザー・インタフェースをデモ:ITpro

前後するが、上記のような展示が行われるということで、 CEATECに参加してきた。

非常に興味深かった。まだ試作段階ということなのだが、 家電上のCell(CPUとして見るとさほど高速ではない。GPUも積んでないし)でも それなりの速度で動作していた。

また、この試作版メニューでは自作アプリケーションの登録までもできるそうだ。 実際にマンデルブロ集合を表示していた。

開発者の方とお話ししたところ、ゼロから(Rubyを知らないところから)始めて 3ヶ月でものになったのだそうだ。組み込みの「普通」を知らないので、 「それって早いんですか」と聞いたところ、「早いです。しかも生産性すごく高いです」 とのことであった。

まだ、このプラットフォームを実際に採用するというところまではいっていない のだけれども、今後に期待、というところか。

家電組み込み領域ではできるだけリソースを削るというアプローチが一般的で ソフトウェア生産性のためにリソースをおごるという発想は 受け入れられないのではないか、と少々意地悪な質問をしたところ、 Cellを採用するような家電では違う傾向が出てくるのではないか(と期待している) とのことであった。確かにそうなれば喜ぶ人は多いだろう。

このほかにも東芝のブースではCellを使った いろいろな展示が行われていた。一般的にはSpursEngineが人気のようだが、 個人的にはひっそり(?)と展示されていたCellクラスタリングとかの 方が面白かった。

有機ELなどいろいろ話題な展示もあったようだが、 興味の方向が違うので、東芝の展示だけみて帰ってしまった。

午後はIPAで用事をしてから松江に帰る。

追記

ITproの高橋さんから、別の記事を紹介していただく。

「視察」なんて偉そうだよね。


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